その薬、大丈夫?精神科の薬などが胎児や子どもの脳に与える見過ごされた脅威

「いつも飲んでいるその薬、本当に安全ですか?」――私たちが普段、医師から処方される一般的な薬に、胎児や子どもの脳の発達を脅かす、これまで見過ごされてきた危険性が潜んでいるかもしれないとしたら、どう思われるでしょうか。特に精神科で広く処方されている薬が、体の重要な仕組みを狂わせ、深刻な発達障害につながる可能性があるというのです。2025年4月22日に医学誌『Brain Medicine』に掲載されたある論説は、この憂慮すべき問題に警鐘を鳴らし、緊急の対策を求めています。この記事では、その衝撃的な内容を詳しく解説していきます。 医学誌『Brain Medicine』に掲載されたこの力強い論説は、ごく一般的な処方薬によるステロール生合成の阻害という、脳の発達と公衆衛生に対するこれまで見過ごされてきた脅威に警鐘を鳴らしています。 この論説を執筆したのは、同誌の編集長であるフリオ・リシニオ(Julio Licinio)医学博士・博士です。これは、コラデ(Korade)とミルニクス(Mirnics)による最近の研究論文「「Sterol Biosynthesis Disruption by Common Prescription Medications: Critical Implications for Neural Development and Brain Health」(一般的な処方薬によるステロール生合成の阻害:神経発達と脳の健康への重大な影響)」(doi.org/10.61373/bm025p.0011)に応える形で発表されました。この論文では、アリピプラゾール、トラゾドン、ハロペリドール、カリプラジンといった広く処方されている精神科の薬を含む30種類以上のFDA承認薬が、コレステロール合成に不可欠な酵素であるDHCR7を阻害することが特定されています。 「この酵素
【サイエンス雑誌シリーズ】Amazonストアにて好評販売中!
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill