ノーベル化学賞はGタンパク共役受容体(GPCRs)に
サイエンス出版部 発行書籍
2012年のノーベル化学賞は、デューク大学医学センターで39年を続け、ハワードヒューズ医学研究所で治験医師を務めるロバート・J・レフコウィッツM.D.と、1980年代に同博士の研究室でポスドクを務めていた、スタンフォード大学医学部のブライアン・K・コビルカM.D.が共同受賞した。ノーベル化学賞の発表は2012年10月10日に行われた。 二人の科学者は、抗ヒスタミン剤、抗潰瘍薬、高血圧用のβブロッカー、狭心症や冠動脈疾患治療薬などの処方薬の標的となる、細胞表面受容体類の研究で知られている。これらの受容体類は外部から化学的なシグナルを受け、そのメッセージを細胞内に伝達し、体内で起こっている変化の情報を伝えている。これらの受容体類は”7回膜貫通型Gタンパク共役受容体”あるいは短くして単に”G共役受容体”と呼ばれ、蛇のように曲がりくねった構造をしており、細胞表面を縫うように7回貫通している。 ヒトゲノムには、このような膜貫通型受容体をコードする遺伝子が1,000種類ぐらいあるが、とてもよく似ている。更には目の光受容体、鼻の匂い受容体、下の味覚受容体とも大変よく似た構造部分を有する。「ボブのG-タンパク共役受容体の発見は、現在多くの疾患領域で利用されている医薬品の基礎として、大変大きな役割を担っています。彼はその偉大な発見によって、数えきれない程の患者に福音を与えた、”医師兼科学者”の典型例です。私たちは彼の成し得た素晴らしい成果と、デューク大学医学部における多大な貢献を、心から誇りに思います。」と、デューク大学ヘルスシステムのヘルス研究所長兼CEOの、ベクター・J・ジャウ医師は語る。「ノーベル賞委員会が、ボブの研究の本質に注目した事にワクワクしています。そして彼の全研究活動が私たちの大学機関で行われてきた事を、本当に誇りに思います。ボブは単に優れた科学者であるだけではなく
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