脳細胞は危険なタンパク質凝集体をどのように分解するのか?
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日本の理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI)の研究チームは、ユビキチン化タンパク質の凝集体を細胞から選択的に分解するメカニズムを発見した。この発見は、同様の凝集体の補足や除去がp62とよばれるタンパク質のリン酸化によって誘起されることを示し、ハンチントン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に、新たな道を開くことを示唆する。細胞の最も重要な活動の一つは、タンパク質の生産である。 これは、酸素輸送から免疫防御や食物の消化に至るまでに必要不可欠な機能を果たす。また、細胞の生存に重要なのは、有効期限を過ぎたタンパク質をどのように扱うかである。破損やミスフォールドしたタンパク質は、アルツハイマー病などの神経変性疾患に見受けられる衰弱状態と関連している。 真核細胞では、破損またはミスフォールドしたタンパク質の再生は、小さな調節タンパク質であるユビキチンの“ユビキチン化”によって管理されている。ユビキチン分子は、タンパク質に付加することでそのタンパク質を標識化し、この標識化されたタンパク質はプロテアソームによって破壊される。プロテアソームは細胞内で不要なタンパク質を分解し再生する大きなタンパク質複合体で、これは細胞のホメオスタシスの維持に極めて重要な役割をもつ。この研究を通して、BSI研究グループは、プロテオソームベースの再生が機能しない領域を明確にすることを追究した。それは、プロテオソームが分解しにくいタンパク質の複合体や凝集体の多い領域である。研究チームは、この弱点がユビキチン結合(UBA)領域、セリン403(S403)位置でのp62タンパクのリン酸化によるものだと指摘している。この位置でのリン酸化は選択的オートファジーとよばれる異化プロセスを誘発し、タンパク質凝集体を分解する。これは、“セクエストトーム”と言われる構造を形成し、オートファジーの準備のため
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