ペプチドに基づく有望な新薬候補
サイエンス出版部 発行書籍
アメリカドクトカゲの唾液が2型糖尿病用の大型新薬のきっかけになるかもしれないと誰が思ったであろうか。さらに、Magician's cone snail(イモガイ科ヤキイモ)、Saw-scaled viper(ノコギリヘビ)、Brazilian lancehead snake(ブラジリアンヒメハブ)、Southeastern pygmy rattlesnake(東部生息の小型ガラガラヘビ)の毒から慢性痛、心臓発作、高血圧、脳卒中の薬が得られるとは誰が思ったであろうか。これらはペプチドベースの新薬として登場可能な資源のごく一部である。 Chemical & Engineering News(C&EN)(アメリカ化学会の週刊ニュース)で2011年5月30日版のメイントピックであるが、ペプチドはアミノ酸短鎖であり、タンパク質を構成している。このペプチドが、健康ならびに疾病に関与する多くの重要な身体の働きにおいて中心的な役割を果たしていると、C&ENシニアライターのAnn Thayer氏は語る。上記のような新薬候補は既存の医薬品と比べて高い効力や低い毒性など、医薬品として優位な点を持っている。しかしながら、医療分野の治療にペプチドをより広範に利用しようという試みは、ペプチドの短い作用持続時間や胃の中の酵素によって消化されやすいという傾向などによって手詰まり状態である。Thayer氏は、こうした問題点をさらに克服して販売までたどり着いた60種類のペプチド薬は2010年には130億ドルの売り上げになった。またパイプラインにおいてその他の成功も得られた。すでに成功を収め商品化されている医薬品の一部はアメリカドクトカゲのような動物由来の天然ペプチドをベースとしたものである。製造者が生産を進めていく方法について比較検討した記事ではペプチド創薬企業とのコラボレーシ
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