エクソソーム分泌を自在に制御!新生体界面LIFESが神経血管リモデリングを革新

エクソソーム分泌を自在に制御!新生体界面LIFESが神経血管リモデリングを革新

サイエンス出版部 発行書籍

神経血管リモデリングを促進する新たな生体界面「LIFES」——持続的かつ調整可能なエクソソーム分泌を実現 中国科学院深セン先進技術研究院(SIAT)のドゥ・シュエミン博士(Xuemin Du, PhD)が率いる研究チームは、生理活性を持つエクソソームを持続的かつ調整可能に分泌する新しい生体界面を開発しました。このシステムは、神経血管リモデリングを効果的に促進し、糖尿病創傷治療やその他の医療用途に貢献する可能性があります。本研究成果は、2024年11月21日付で科学誌「Matter」に発表されました。 神経血管リモデリングの課題とエクソソームの可能性 神経血管リモデリングは、損傷した組織の再生や再生医療において不可欠なプロセスですが、その成功には多段階かつ多標的のパラクライン(傍分泌)調節が求められます。しかし、従来の治療法ではこのような複雑な調節を再現することができず、最適な神経血管リモデリングの実現が困難でした。 エクソソームは、細胞間コミュニケーションにおける重要なパラクライン因子として、神経血管リモデリングにおいて有望な役割を果たします。しかし、直接投与では24〜48時間程度で分解されてしまい、持続的な効果を得ることが難しいという課題があります。また、エクソソーム輸送システムにおいては、生理活性を維持しながら適応可能なmiRNA(マイクロRNA)を長期間保持することが困難であり、各段階の神経血管リモデリングに適応できないという制約がありました。 LIFES:持続的なエクソソーム分泌を可能にする生体界面 研究チームは、これらの課題を克服するために、「LIFES(Living Interface for Fine-Tuned Exosome Secretion)」という新たな生体界面を開発しました。このLIFESは、高度な電気特性と微細構造を持つポリ

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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