血管の老化を防ぐ!果物や野菜に含まれる「フィセチン」が血管石灰化を抑制

血管の老化を防ぐ!果物や野菜に含まれる「フィセチン」が血管石灰化を抑制

いつまでも若々しく、しなやかな血管でいたい。そう願うすべての人にとって、心強いニュースかもしれません。私たちが普段口にしている身近な果物や野菜に含まれる「フィセチン」という天然成分に、血管が硬くなる「石灰化」を防ぐ驚くべきパワーが秘められていることが、最新の研究で明らかになりました。このオープンアクセスの研究論文は、2025年4月2日に学術誌『Aging (Aging-US)』の第17巻第4号に掲載されました。論文のタイトルは「Fisetin Ameliorates Vascular Smooth Muscle Cell Calcification Via DUSP1-Dependent P38 MAPK Inhibition(フィセチンはDUSP1依存性のp38 MAPK阻害を介して血管平滑筋細胞の石灰化を改善する)」です。 オーストリアにあるヨハネス・ケプラー大学リンツの研究者たちは、この研究で、天然物質であるフィセチンが高齢者や腎臓病患者によく見られる血管の硬化(石灰化)を防ぐ助けとなることを発見しました。この発見は、フィセチンが血管石灰化を予防し、加齢や慢性腎臓病によって引き起こされる心血管系へのダメージを軽減する可能性を秘めていることを示しています。 この研究は、筆頭著者であるメフディ・ラザジアン氏(Mehdi Razazian, MSc)と、責任著者であるイオアナ・アレスータン博士(Ioana Alesutan, PhD)が主導しました。研究チームが焦点を当てたのは、血管にカルシウムが沈着して硬くなる血管石灰化です。このプロセスは加齢や慢性腎臓病で一般的に見られ、心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。研究者たちは、ヒトとマウスの研究モデルを用いて、血管の健康維持に重要な役割を果たす血管平滑筋細胞(VSMC: vascular smooth muscle c

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill

 

【サイエンス雑誌シリーズ】Amazonストアにて好評販売中!