MeCP2関連の不安症は二つの遺伝子の過剰発現によるものだった
サイエンス出版部 発行書籍
過剰量のMeCP2タンパク質と関連する不安症や行動問題は、二つの遺伝子(Crh[コルチコトロピン放出因子]とOprm 1[μオピオイド受容体MOR 1])の過剰発現によるものであることが分かり、これらの問題を抱える患者の治療への道が開けるかもしれない。そう語るのは、ベイラー医科大学(BCM)の科学者達である。この研究レポートはNature Genetics誌オンライン版に掲載された。 この研究のほとんどは、テキサス州小児病院ジャン•アンド•ダン•L•ダンカン神経学研究所(NRI)で行われた。MeCP2は、タンパク質界での“ゴルディロックス(*1)”である。女性はこのタンパク質が欠けていると、幼い時期に神経障害であるレット症候群を発症する。過剰量にあると、MeCP2重複症候群に至る。この疾患は主に男児が発症し、遺伝子重複を母親から継承するか、まれに散発的に発生する。どちらの場合でも、不安症や社会的行動障害、また行動問題や認知障害が典型的な症状である。 「これは、翻訳過程の良い例です。最初に、MeCP2重複症候群のマウスを探し、その後クリニック内に疾患をもつ患者を探しました。研究所に戻り、MeCP2が実際に患者のフェノタイプに寄与する主な物質であることが分かりました。我々は、この疾患に見られる二つの主な症状に関連している、二つの遺伝子を同定したのです。後に、これらの情報をもってクリニックに戻り、患者の治療法を開発することが出来るかもしれません。」と、BCM分子ヒト遺伝学准教授であり、本論文の著者、ロドニー•サマコ博士は語る。「MeCP2の損失または増加は、数百もの遺伝子の発現に影響を及ぼします。しかし、不安や社会的行動障害を媒介するものが二つの遺伝子であったというのは、驚くべき発見です。」と、BCM分子ヒト遺伝学、神経学、神経科学そして小児科学の教授、フダ•ゾグビ博士
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