脂肪の味を好むのは遺伝子が原因

脂肪の味を好むのは遺伝子が原因

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私たちの舌は脂肪に対して親和性を有するようだと、セントルイス、ワシントン大学医学部の研究チームが明らかにした。遺伝子の変化によって、人は脂肪の味に多少敏感になるのだ。本研究は、脂肪を感知するヒトのレセプターを始めて同定し、食品中の脂肪に敏感な人々もいるであろうことを示唆している。本研究は2011年12月31日付けのジャーナル・オブ・リピッド・リサーチ誌に掲載された。   研究チームは、CD36遺伝子変異をもつ人は脂肪の存在に、はるかに敏感であることを発見した。「最終的な目標は、食中の脂肪に対する味覚が、人が口にする食べ物や脂肪の量の摂取にどのように影響するのかを明らかにすることです。本研究で私達は、脂肪を感知する能力の個人差を説明する一つの仮説を得ました。それは今回証明されたように、人は脂肪分を摂れば摂るほどそれに対する敏感性を失っていき、そのため同程度の満足感を味わうためにより多くの脂肪分を摂取しなければいけなくなるからということです。食物中の脂肪分を感知する能力が、その人の脂肪分の摂取量に影響するのかどうか、ということを将来的に明らかにする必要があります。なぜなら、そのような影響があるとすれば、それは肥満にも多大な影響を及ぼすからです。」と、ロバート・A・アトキンズ教授医学•肥満リサーチセンター調査官、ナダ・A・アバムラド博士は語る。 CD36タンパク質の産生能力がある人ほど、脂肪分を感知する能力に優れていることが分かった。実際には、最もCD36の産生機能が高い被験者は、その約50%のタンパク質を産生した者よりも脂肪を感知する能力が8倍もあった。被験者はBMI指数が、肥満とされる30以上の21人。被験者はCD36の産生量が高い人、産生量が低い人、そして中間的な人で構成された。実験では、液体の入った3つのカップが用意された。一つ には少量の脂肪油が含まれ、他二つは油

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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