体重を調節する新たな遺伝子を発見
サイエンス出版部 発行書籍
RGS9-2と呼ばれる脳タンパク質が体重を調節する役割を有することを、ロードアイランド大学薬学科准教授のアブラハム・コボー博士が発見した。コボー博士は、パーキンソン病および結合失調症の治療薬の副作用であるジスキネジアとRGS9-2との関係の研究中に、今回の発見に至った。ジスキネジアとは、身体が無意識かつランダムに動いてしまう運動障害である。研究結果は2011年11月23日付けのPLoS ONE誌に掲載された。 コボー博士および共同研究者達は、RGS9-2を減少させる遺伝子変異を有するヒトのBMI(肥満度指数)が、通常に比べて著しく高いことを発見した。また、RGS9-2タンパク質を生産できぬようRGS9-2遺伝子を除去されたマウスの系統と、野生株を比較したところ、RGS9-2遺伝子を除去されたマウス系統の方が体重も重く、体脂肪率も高かった。反対に、RGS9-2タンパク質が過剰発現された場合、マウスの体重は減少した。 RGS9-2は通常、脳の線条体内で発現される。この部分は運動制御や報酬反応に携わっているため、体重増加は、摂食の報酬反応の増加によるものだとコボー博士と研究員たちは考える。「普通、(体重が増えたため)RGS9-2を除去されたマウスの摂食量の方が多いと 考えられるでしょうが、そうではありませんでした。」と、コボー博士は説明する。「ヒトやマウスやラットでの研究は、RGS9-2が体重の調節因子であることを結論付けました。しかし、我々は摂食行動以外の事に目を向けなくてはならなかったのです。この研究は、線条体がRGS9-2を通して体重を調節する役割を有することを示しました。これは、モチベーションや行動、また報酬反応とは無関係であります。我々は、新陳代謝を通して体重増加を調節するであろう、新しい遺伝子を発見したのです。」と、コボー博士は続けた。コボー博士とチームは、
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