非侵襲的な、母親の血液解析によって、胎児の遺伝子情報を得る

非侵襲的な、母親の血液解析によって、胎児の遺伝子情報を得る

サイエンス出版部 発行書籍

スタンフォード大学医学部の研究チームが世界で初めて、母親の血液サンプルから胎児のゲノムを解析する事に成功した。この新規的な試みはNature誌2012年7月4日のオンライン版に発表されたが、これは1ヶ月前にワシントン大学から報告された研究と深く関連している。

 

この研究で用いられた解析技術は、以前にスタンフォード大学のグループが開発したもので、胎児のゲノムシーケンスを行うに当たり、母親の血液サンプルと、母親と父親のDNAサンプルを必要とした。しかし今回の研究では父親のDNAを必要としないので、例えば本当の父親が不明の場合や(米国では10人に1人の割合でそうである)、父親がDNAを提供できない場合や提供を拒む場合も、問題なく胎児のゲノムシーケンスが可能となる画期的な方法なのである。つまりこの方法は、胎児のゲノムシーケンス検査を、通常の臨床検査のレベルに1段階近づける技術と言って良い。

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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