
CRISPR/Cas9ゲノム編集で、生物医学研究の変革が急速に進んでいるが、この新技術はまだ正確さに欠ける。この技術では、誤ってゲノムの変更をやり過ぎたり、望まない変更をしてしまったりして目的外の変異を起こすことがあるため、治療技術として安全性と有効性に欠ける面がある。2016年12月8日付Cell誌オンライン版に掲載された新研究論文によると、University of Massachusetts (UMass) Medical SchoolとUniversity of Torontoの研究チームが、初めてCRISPR/Cas9の「オフスイッチ」を発見しており、それによってゲノム編集の制御がはるかにやりやすくなる。Cell誌に掲載されたこの論文は、「Naturally Occurring Off-Switches for CRISPR-Cas9 (CRISPR-Cas9に天然のオフスイッチ)」の表題で発表されている。
UMass Medical School, RNA Therapeutics Instituteの教授、Erik J. Sontheimer, Ph.D. (写真)、Professor of Molecular GeneticsのAlan Davidson, Ph.D.、University of TorontoのAssistant Professor of Biochemistry、Karen Maxwell, Ph.D.は、Cas9酵素作用を阻害する3種の天然タンパク質を突き止めた。CRISPR抗体として知られるこの3種のタンパク質は、Cas9ヌクレアーゼによるDNA切断を阻止する能力がある。Dr. Sontheimerは、「CRISPR/Cas9そのものは特定の染色体の切断を引き起こすものであり、ゲノム編集に使える有用なものではあるが、染色体の切断は危険でもあり、いいものも過剰になったり、あまり長く続けると危険にもなりえる。Cas9が一旦細胞に入り込むと、これをターンオフする信頼できる手段はほとんどない。だから、適正な編集が終わった段階でスイッチオフすることができれば問題は解決する。この研究論文では私たちが初めて見つけた天然のCas9活動阻害物質について報告している」と述べている。
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