家族性パーキンソン病の新たな遺伝子変異を発見
サイエンス出版部 発行書籍
パーキンソン病の原因と考えられる遺伝子の変異が新たに発見された。この変異はパーキンソン病の罹患者が多いスイスの大家系を対象として最新のDNA配列解析技術を用いて調査研究した結果判明した。この研究はフロリダのメイヨクリニックキャンパスの神経医学者グループが主宰し、米国・カナダ・欧州・英国・アジア・中東等の共同研究グループを加えて行なわれ、American Journal of Human Genetics誌2011年7月15日号に発表された。「この発見はパーキンソン病の研究に新しい道を作ったのです。私達が発見した新たな遺伝子変異はどれもがこの複雑な疾患を読み解く助けとなるし、新たな治療法の可能性も秘めているのです。」と共同執筆者のズビグニュー・ゾレック博士は話す。 研究チームが見つけたこの変異は、細胞内でタンパクを再利用するサイクルに関与するタンパクVPS35内に存在し、これがこのスイスの家系にパーキンソン病をもたらす原因になっている。変異したVPS35タンパクは細胞内で必要なタンパクを再利用する機能が抑制されているので、それが原因となって、パーキンソン病患者やアルツハイマー患者の脳に見られるような異なる構造のタンパクが生成されるのだろうと、共同執筆者であるフロリダのメイヨクリニックの神経医学者オウエン・ローズ博士は説明し、更に「実際、アルツハイマー疾患ではこの遺伝子の発現が抑制される事が観察されており、細胞内でタンパクの再利用が阻害されれば他の多くの神経変性疾患を誘発します。」と語る。 メイヨクリニックが行なった共同研究の成果として、6つの遺伝子変異が家族性パーキンソン病に関与している事は明らかになった。ゾレック博士はパーキンソン病研究の世界ネットワークを構築しており、その多くはメイヨクリニックで研究経験を持つ。本研究の主筆であるチャールス・ビラリーニョ・グレル博
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