植物動物両方の特徴を持つイソギンチャクの遺伝子調節
サイエンス出版部 発行書籍
University of Vienna進化発生学者、Dr. Ulrich Technauに率いられた研究チームは、イソギンチャクのゲノム全体像がショウジョウバエその他の動物モデルのシステムによく似た複雑な調節エレメントを持っていることを突き止めた。このことは、遺伝子調節の原理は6億年前にはすでに確立しており、ヒト、ハエ、イソギンチャク共通の祖先にまで遡ることを示している。 一方で、イソギンチャクの遺伝子発現の調節がmicroRNAと呼ばれる短い調節RNAによって制御されるという面では脊椎動物や昆虫よりも植物に近いと言える。この驚くべき進化学的な発見は、2014年3月18日付Genome Researchのオープン・アクセス論文2件に紹介されている。人間の外的特徴、体形、身体機能などは環境的な影響に加えて私たちが持っている遺伝子の働きによるところが大きい。しかし、遺伝子は単一で働くことはむしろまれで、遺伝子調節ネットワークで他の遺伝子と協力したり、互いの動きや発現を調節したりするのが普通である。過去何十年か、ヒトや様々な動物のゲノムのシーケンシングが行われ、イソギンチャクのような解剖学的に単純な生命体も高等な生命体に似た驚くほど複雑な遺伝子レパートリーを持っていることが明らかにされてきた。このことは、生態学的な複雑さの違いは特定の遺伝子の存在や不在で簡単に説明できないことを示している。 そのため、研究者の中には、個々の遺伝子が複雑な身体の計画図をコード化しているのではなく、遺伝子が互いにどのように接続され、リンクされているかで決まるのではないかという仮説を立てている者もいる。そのため、単純な生命体は、ヒトや高等動物に比べてこの遺伝子のネットワークがより単純なのではないかと考えられている。遺伝子調節の複雑さは、ゲノムの調節配列の配分や密度で計ることができる。エンハン
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