吸血鬼伝説は突然変異による血液疾患の実在の人物をもとにした話かも知れない
サイエンス出版部 発行書籍
ポルフィリン症は、8種の血液疾患の総称で、酸素運搬タンパク質のヘモグロビンを構成するヘムをつくる体の分子的メカニズムが不調を来す疾患である。ヘムが鉄と結合すると血液独特の赤色になる。ヘム産生に影響する遺伝的変異のタイプによって、現れるポルフィリン症の臨床症候群も異なっている。吸血鬼伝説が生まれた原因になったと考えられる症候群もその一つである。 子供に発生するもっとも一般的なポルフィリン症は骨髄性プロトポルフィリン症 (EPP) と呼ばれるもので、患者の皮膚が光に対して異常に敏感になるという特徴があり、長時間陽光にさらされると痛みを伴う醜い火ぶくれになることがある。Dana-Farber/Boston Children's Cancer and Blood Disorders CenterのBarry Paw MD, PhDは、「EPP患者は慢性的な貧血症のため、常に疲労感を抱えており、しかも光感受性が高まっていて日光に当たることができないため、非常に青白い外貌になる。曇りの日でも体の露出した部分、耳、鼻などに火ぶくれや皮膚の変形を起こすのに十分な紫外線が届いている。日中は屋内で過ごし、十分な量のヘムを含んだ輸血でこの疾患の症状を一部緩和することはできる。大昔なら動物の血を飲み、夜の間だけ出歩くことで同じ効果が得られただろうが、吸血鬼伝説を広げることにもなったはずである。2017年9月5日付PNASオンライン版に掲載された研究論文で、Dr. Pawと国際的な研究チームは、EPPを引き起こす遺伝変異を新しく発見したと述べている。その論文では、「吸血鬼伝説」の原因になったと思われる、これまで知られていなかった生物学的機序に光を当て、EPPの治療標的を突き止めている。 この論文は、「ヒトCLPXの突然変異はδ-アミノレブリン酸合成酵素レベルを上昇させ、赤血球生成プロトポルフィリ
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