エピジェネティック・マーカーの安定に必須である卵子タンパクがみつかる
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母親の卵子に存在するタンパク質、TRIM28が受精後特定の化学修飾、または特定の遺伝子上エピジェネティック・マーカーを保存するために必要不可欠であると、A*STAR医学生物学研究所(IMB)の国際研究チームが発表した。本研究は2012年3月23日付けのScience誌に掲載され、不妊症におけるエピジェネティクスの働きを研究するスタート地点になると思われる。これまでの研究では、核の初期化およびインプリンティングの両方が、胚の生存および成長にとって不可欠であると示されてきた。 しかし、初期の胎児期における、これら二つのプロセスの複雑な関係を管理するメカニズムは、今まで明確にされていなかったのである。DNA上のエピジェネティック・マークのほとんどは、受精後すぐに消されてしまう。核初期化とよばれるこの消去プロセスは、初期の 胚細胞があらゆる細胞型に発展できるように、両親からの遺伝子をリセットするのである。一方、母親と父親からの特定の遺伝子上のエピジェネティック・マークのいくつかは保存されなければいけない。これらの遺伝子は“インプリント”と言い、胚の生存のために重要である。これらのインプリント遺伝子の適切な発現が、正常な胚の成長につながるのである。 インプリント遺伝子のエピジェネティック・マークが保護されなかった場合、重度の胚発達異常が複数起こる。IMB責任研究員、デイボー・ソルター博士およびバーバラ・ノウルズ博士は、遺伝的に同一の近交系マウスを研究に使用し、TRIM28欠損卵子から生じた胚は受精後どれも生き残らなかった事を見せた。胚は発生の様々な段階で死亡し、異なった発達障害をもっていた。単一遺伝子の欠如による遺伝性疾患をもつ個人間では一貫して似たような障害が見られるが、母性TRIM28欠損マウスでは遺伝的に同一であるのに異なる奇形が見られた。これらの知見および核初期化に
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