遺伝子導入法による鎌状赤血球症の治療が、現実性を帯びてきた
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ワイルコーネル医科大の研究グループが、βサラセミア症と鎌状赤血球貧血とを遺伝子治療するための新規的な方法のデザインを完成させた。更に、治療前に各患者の治療応答を予め予測する診断方法も、このチームは開発しているのだ。2012年3月27日付けのPLoS ONE誌に発表された研究成果によると、重篤な赤血球不全症に関連する疾病に対して、新しい治療戦略を提供するものだ。 「この遺伝子治療技術は多くの患者を治療できる可能性を秘めています。特筆すべきは、ほんの僅かな血液サンプルがあれば、予め患者をスクリーニングして治療応答の予測を診断することも出来るのです。」と、ワイルコーネル医科大遺伝准教授で、この研究を主宰するステファノ・リベラ博士は語る。3カ国から集まった17人の研究チームを率いる同博士の説明では、ベータグロビン正常遺伝子の疾患細胞への導入と、正常ヘモグロビンの産生の増加との関連性を証明する初めての試みであり、これがうまくいくかどうかが、長い間に渡る赤血球不全症治療の課題であったのだ。これまでのところ遺伝子治療は、βサラセミア症患者に対してフランスで1例行なわれているだけだが、リベラ博士の研究グループは本方法の方がより顕著な効果が得られると期待している。鎌状赤血球症患者が、この遺伝子治療の治験を受けたケースはまだ報告されていない。βサラセミア症は遺伝性疾患であり、ベータグロビン遺伝子の異常に起因する。この遺伝子は、赤血球に含まれるヘモグロビンタンパクの重要な部分を形成するもので、ヘモグロビンは生命活動に必要な酸素を全身に運ぶのが役割である。 リベラ博士のチームが開発した遺伝子導入技術は、導入されたベータグロビン遺伝子の活性が維持されるので、より治療効果があるベータグロビンタンパクを供給することが出来るのだ。「サラセミアの不全は、赤血球内においてベータグロビンタンパクが産生
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