欠損ニューロンの信号が「品質管理」系によって抑制されるメカニズム解明

欠損ニューロンの信号が「品質管理」系によって抑制されるメカニズム解明

サイエンス出版部 発行書籍

University of California (UC), San Diegoの生物学者グループが未知の細胞メカニズムを発見した。このメカニズムにより、人間や動物はその発育過程で神経細胞の質を自動的にチェックし、適正に働くよう監視しているという。研究グループは、2013年9月4日付「Neuron」掲載の研究論文で、線虫Caenorhabditis elegansを使った研究により、ニューロンの「品質検査」システムを発見したと報告している。   このシステムは2つのタンパク質を使い、欠損ニューロンからの信号を抑制し、そのニューロンを修復するか破壊するかの目印を付けるというもの。UC San DiegoのDivision of Biological Sciencesで神経生物学教授、同大学のSchool of Medicineで細胞分子医学教授を務めるDr. Yishi Jinに率いられる研究チームの筆頭著者、Dr. Zhiping Wangは、「私たちの体が見たり、話したり、歩いたりするためには体内の神経細胞がそれぞれ適切な組み合わせの細胞に情報伝達しなければならない。 この情報伝達は軸索と呼ばれるニューロンから放出される長い繊維によって媒介される。この軸索が一つの細胞から次の細胞に電気信号や化学信号を送っていく。ちょうど、コンピュータ同士を結ぶローカル・ワイヤード・ネットワークのケーブルのような役割を果たしている。発育途中のニューロンでは軸索の対象の細胞への移動は特定信号の組み合わせによって導かれる。この信号は軸索誘導受容体と呼ばれる『小型受信機』タンパクによって検知され、『進め』、『止まれ』、『左に曲がれ』、『右に曲がれ』というように翻訳される。このように、軸索が誘導信号の翻訳をする上で、『小型受信機』タンパクの質が非常に重要になる」と述べている。Howard H

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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