MITとハーバード大学の研究者が新しいタンパク質送達方法を開発。がん治療への応用可能性を報告。
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MIT・ハーバード大学ブロード研究所とMITマクガバン脳研究所の研究者は、天然の細菌システムを利用して、ヒトや動物の細胞で機能する新しいタンパク質送達方法を開発した。このシステムは、遺伝子治療やがん治療を安全かつ効率的に行う方法になる可能性がある。この技術は、2023年3月29日付のNature誌に掲載され、遺伝子編集用のものを含む様々なタンパク質を異なる細胞タイプに送達するようにプログラムすることができる。このオープンアクセス論文は「細菌収縮注入システムによるプログラム可能なタンパク質送達(Programmable Protein Delivery with a Bacterial Contractile Injection System)」と題されている。 ブロード研究所メンバーでマクガバン研究所研究員のフェン・チャン博士 (写真)率いる研究チームは、昆虫細胞に自然に結合してタンパク質ペイロードを注入する、細菌が作り出す小さなシリンジ状の注入構造を利用した。研究チームは、人工知能ツールAlphaFoldを使用して、この注射器構造を設計し、ヒト細胞およびマウス細胞の両方にさまざまな有用なタンパク質を送達した。 本研究の筆頭著者であり、チャン博士の研究室の大学院生であるジョセフ・クライツ氏は、「これは、タンパク質工学が自然システムの生物活性を変化させることができるという本当に美しい例だ。私は、タンパク質工学が生物工学や新しい治療システムの開発において有用なツールであることを立証している。」と述べている。 「治療用分子の送達は、医療にとって大きなボトルネックであり、これらの強力な新治療法を体内の正しい細胞に届けるためには、より多くの選択肢が必要だ。自然界がどのようにタンパク質を輸送しているかを学ぶことで、このギャップに対処できる新しいプラットフォームを開発することが
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