ミトコンドリアの掃除が追いつかない!2型糖尿病とインスリン抵抗性の新メカニズム

2型糖尿病の新たな鍵?筋肉のミトコンドリア「品質管理」の謎を解明 私たちの体のエネルギー工場である「ミトコンドリア」。この小さな器官の不調が、2型糖尿病の根本的な原因の一つであるインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)に関わっていることが、最新の研究で明らかになってきました。特に、筋肉細胞の中で何が起きているのでしょうか?ルイジアナ州の研究チームが、ミトコンドリアの「掃除」と「分裂」のバランスが崩れるメカニズムを解明し、新たな治療法への道を拓きました。 ルイジアナ州バトンルージュにあるペニントン生物医学研究センターの研究者たちが、2型糖尿病患者の骨格筋において、ミトコンドリアの動態と品質管理メカニズムの障害が、どのようにインスリン感受性に影響を与えるかについて、重要な洞察を明らかにしました。このオープンアクセスの研究は、「Deubiquitinating Enzymes Regulate Skeletal Muscle Mitochondrial Quality Control and Insulin Sensitivity in Patients with Type 2 Diabetes(脱ユビキチン化酵素は2型糖尿病患者の骨格筋ミトコンドリア品質管理とインスリン感受性を調節する)」と題され、2025年3月4日付の「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」誌に掲載されました。 ペニントン生物医学研究センターのエグゼクティブ・ディレクターであるジョン・カーワン博士(John Kirwan, PhD)が率いる研究チームは、骨格筋内のミトコンドリア動態を調節する上で重要な役割を果たす、脱ユビキチン化酵素の重要性に焦点を当てました。研究結果は、細胞が損傷したミトコンドリアを除去するプロセスである「マイトファジー」の欠陥を
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Edited by Michael D. O'Neill
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