DNA複製タンパクが有糸分裂と発ガンにも関与
サイエンス出版部 発行書籍
生物学的遺伝はDNA複製を基盤とし、何百何千もの異なるDNAサイトを、同時に正確に複製する工程である。もしこの複製工程が予定通り行なわれない場合、細胞に必要な材料が欠けたり不要な材料が増加したりし、不完全な遺伝子複製の特質として、出生異常や発ガンが見受けられる。ノースカルフォルニア大学(UNC)医学部の研究チームは、DNA複製に必要なタンパクであるCdt1が、細胞分裂後期の有糸分裂に重要な役割を果たしていることを明らかにした。この発見により何故多くの発ガンが、遺伝子の不完全さだけでなく、通常46個の染色体数の増減にも起因するのかが説明できる。 研究結果はネイチャー・セルバイオロジー誌2012年5月13日号のオンライン版に発表されたが、DNA複製タンパクがこのような2つの役割を有することを明確に示したのは世界初である。「私達はこのタンパクの役割は既によく知っていると思っていました、つまり、複製するDNA上に複製開始を準備するタンパクをロードするのだと考えていたのです。ところがこのタンパクは、もう一つの顔を持っていて、細胞サイクルの別の部分を相補的に司っていたのです。」とUNC医学部の生化学、生物物理、薬理学准教授で上級著者であるジーン・クック博士は語る。 細胞サイクルは幾つかの工程から成り立ち、複製によって2個の娘細胞に分裂する事によって、細胞の成長をおこなっている。4つの明確な工程から成り、それらは;G1 期(Gap 1)、S 期(DNA 合成)、M期 (有糸分裂)、そしてG2 期(Gap 2)である。クック博士のチームはG1期、つまりCdt1が遺伝子上にDNA複製を行なうタンパク類をロードするサイクルに注目している。本研究でクック博士のチームは、細胞内でCdt1が相互作用を有する他のタンパクをスクリーニングした。同博士が期待したことは、複製開始に関与する他の要素
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