病気の原因はタンパク質の「迷子」?AIが解き明かす細胞内局在の重要性

サイエンス出版部 発行書籍
細胞という小さな宇宙で、生命活動を支える無数の働き者、タンパク質。その機能は「形」だけでなく、細胞内の「居場所」によっても大きく左右されることがわかってきました。まるで都市のように区画化された細胞内で、タンパク質が適切な場所に配置されなければ、その能力を十分に発揮できません。しかし、この「タンパク質の住所録」を予測することは、これまで非常に困難な課題でした。そんな中、ホワイトヘッド研究所とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが、タンパク質の「アミノ酸コード」からその細胞内局在を高精度に予測し、さらには特定の場所に集まる新しいタンパク質を設計までできる画期的なAIモデル「ProtGPS」を開発しました。これは、病気の理解や治療法開発に新たな道を開く可能性を秘めています。 細胞内は、生物学の教科書でおなじみの細胞小器官(オルガネラ)に加え、特定の分子を集めて共同作業を行わせる、膜のないダイナミックな区画も多数存在します。あるタンパク質がどこに局在し、何と一緒にいるかを知ることは、そのタンパク質の役割や、健康な細胞あるいは病気の細胞における働きをより深く理解する上で役立ちますが、これまではこの情報を系統的に予測する方法がありませんでした。 一方、タンパク質の構造は半世紀以上にわたって研究され、その集大成として人工知能ツールであるAlphaFoldが登場しました。AlphaFoldは、タンパク質のアミノ酸配列からタンパク質の構造を予測できます。AlphaFoldや同様のモデルは、研究において広く利用されるツールとなっています。 タンパク質には、決まった構造に折りたたまれないアミノ酸領域も含まれており、これらの領域はタンパク質が細胞内のダイナミックな区画に加わるのを助ける上で重要です。ホワイトヘッド研究所のメンバーであるリチャード・ヤング氏(Richard
アプタマーでバイオセンサー開発:抗体と比較し多くのメリット - Novaptech
ヒト・マウス・ラットのモノクローナル抗体精製に便利な磁気ビーズ Ab-Capcher Mag
microPAC ナノLC キャピラリーLC用カラム
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill