生命の設計図を精密に編集!LUC7タンパク質がRNAスプライシングを制御する新メカニズム

生命の設計図を精密に編集!LUC7タンパク質がRNAスプライシングを制御する新メカニズム

サイエンス出版部 発行書籍

生命の設計図、遺伝子。その情報が正しく使われるためには、細胞内で日々行われている「RNAスプライシング」という巧妙な“編集作業”が欠かせません。この作業では、遺伝情報が写し取られたメッセンジャーRNAから不要な部分(イントロン)が切り取られ、必要な部分だけが精密につなぎ合わされます。この重要なプロセスを司るのが「スプライソソーム」という巨大な分子機械です。今回、マサチューセッツ工科大学(MIT)の生物学者たちは、このスプライソソームの働きをさらに精密に制御する、これまで知られていなかった新たな調節メカニズムを発見しました。驚くべきことに、この仕組みはヒトの遺伝子の約半数に関与し、動物から植物に至るまで広く存在しているというのです。この発見は、生命の基本的な仕組みであるRNAスプライシングが、私たちの想像以上に複雑で洗練されたものであることを示しています。 「ヒトのようなより複雑な生物におけるスプライシングは、酵母のような一部のモデル生物におけるスプライシングよりも複雑です。これは非常に保存された分子的プロセスであるにもかかわらずです。ヒトのスプライソソームには、特定のイントロンをより効率的に処理するための『付加機能』のようなものがあります。このようなシステムの利点の一つは、より複雑なタイプの遺伝子調節を可能にすることかもしれません」と、MITの大学院生であり、この研究の筆頭著者であるコナー・ケニー氏(Connor Kenny)は述べています。 MITの生物学のアンカス・アンド・ヘレン・ウィタカー記念教授であるクリストファー・バージ博士(Christopher Burge, PhD)が、この研究の責任著者です。この研究は2025年2月20日に「ネイチャー・コミュニケーションズ」誌に掲載されました。このオープンアクセス論文のタイトルは「LUC7 Proteins Def

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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