糖尿病・がん・老化のプローブとなる摩訶不思議なタンパク

糖尿病・がん・老化のプローブとなる摩訶不思議なタンパク

サイエンス出版部 発行書籍

まるでマジシャンが奇術を見せるように、mitoNEETタンパク質(糖尿病や癌、そして老化において重要な役割をもつ、まだ謎の多い物質)は、1カ所で動きを見せたかと思うと、より重要な活動を別の箇所で行っていたりするのである。このタンパク質が鉄や硫黄など、有毒な物質の構造部をどのようにコントロールしているのかを理解するため、ライス大学およびサンディエゴ、カリフォルニア大学(UCSD)の研究チームは室内実験とコンピューターモデリングを駆使し、mitoNEETの活動の一部を解読した。   この研究は2012年1月23日付けのPNAS誌に記載された。「我々は特殊な方法を使ってタンパク質を精査するのです。」と、ライス大学Harry C. and Olga K. Wiessの物理学と天文学の教授であり、理論生物物理学センターの共同代表であるジョゼ・オニュキック博士は語った「我々は生物物理学を用いて生物学を行ないます。これは実験において認められている、いないに関わりません。そして、これらのロジックが生物学的に重要であるかどうかを問うのです。」と、本研究のリーダー、UCSD生物化学科教授のパトリシア・ジェニングス博士は語る。ジェニングス博士はオニュキック博士と15年に渡り共同研究を行ってきているが、構造生物物理学で研究を進めることで、大幅に時間を短縮してきたと説明している。 例えば、ジェニングス博士の研究室では5年ほど以前に、mitoNEETが特殊な折りたたみ構造を有していることを明らかにした。それ以降、彼女の研究室では、タンパクの統計学的そして動力学的スナップショットから得られる情報を用いて、生物学研究と生化学研究を行なってきた。「タンパクとは動く部品で構成された機会であることを、みなさんは忘れているようです。私たちは統計学的スナップショットを開始し、機能的な動きをモデル化しました。」

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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