細胞内でのインシュリンの克明な経路が図表化
サイエンス出版部 発行書籍
オーストラリアの研究者チームが、細胞内におけるインシュリンの経路を初めて克明に図表化した。この図表が、糖尿病発病の詳細な機序を理解する総合的な海図になる可能性がある。シドニー所在Garvan Institute of Medical Research の博士課程研究生Sean Humphrey氏とProfessor David Jamesのこの画期的な研究成果は、2013年5月16日付オンライン版「Cell Metabolism」に掲載されている。 1921年にその存在が発見されたインシュリン・ホルモンは、糖分を血液から細胞に移動させ、それによって血糖値を下げるという身体にとって重要な働きをしている。しかし、これまで科学者もインシュリンの目的を大まかには理解していたが、インシュリンがどのように作用するのかを正確詳細に突き止めることができなかった。それというのも、過去には人体の細胞一つ一つに存在する非常に複雑な迷路のような分子レベルの動きを観察できる装置がなかったからであり、質量分析計という精巧な分析機器の登場で初めてこれが可能になってきた。このような優れた機器の発達のおかげで、「プロテオミクス」と呼ばれるタンパク科学の広大な分野が開けてきた。タンパク質は、エネルギーを使って筋肉収縮、心拍、あるいは記憶といった機能を行う細胞の働きの中心を担っている物質である。 各細胞は、1万から1万2,000個のタンパク質タイプの複写を複数個抱えており、そのタンパク質タイプ一つ一つが、様々な手段で互いに情報を交換し合っている。そのうちでももっとも一般的な情報交換形式が「リン酸化」と呼ばれるものだ。「リン酸化」では、タンパク質にリン分子が付加され、それが情報伝達の役割を果たしたり、タンパク質の機能を変更したりしている。その細胞内のタンパク質一つずつに、リン分子を付加できる領域、「リン
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