MITの研究で、海洋微生物生成の細胞外小胞発見
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海洋藍藻は微細な海洋植物で、日光と二酸化炭素を使って酸素と有機炭素をつくり出し、生物地球化学的循環と栄養塩循環の原動力になっている。藍藻は、酸素を他の生物に供給するだけでなく、藍藻そのものが他の生物の栄養分になる海洋食物連鎖の底辺を形成している。MITの研究チームは、この微小な細胞群が非常に大きな役割を果たしていることを発見した。 この藍藻が常時小胞と呼ばれる小器官を生成し、細胞外に放出していることを突き止めたのである。この小胞は球形の物体で、有機炭素その他の栄養分を含んでおり、他の海洋生命体の食餌になる食料パッケージの役割を果たしている。しかもこの小胞にはDNAも含まれていて、同種のバクテリア集落中あるいは集落間で遺伝子導入の手段になっていることが推測される。そればかりか、DNAを持っている小胞はバクテリオファージの攻撃をかわすおとりの役割も果たしているかも知れないのである。 2014年1月10日付Science誌に掲載された研究論文で、博士研究員のDr. Steven Biller、Professor Sallie (Penny) Chisholmと共同著者らは、藍藻の中でももっとも一般的な2種、プロクロロコッカスとシネココッカス由来と見られる細胞外小胞を多数見つけたと報告している。研究チームは、藍藻の培養液にも、ニューイングランド地方の富栄養な海岸の海水やサルガッソ海の貧栄養な海水からも小胞 (いずれも直径100ナノメータ程度) を発見した。細胞外小胞は1967年に発見され、ヒトに感染するバクテリアの小胞についてはかなり詳しく研究されてきたが、大洋の海水中にも存在する証拠が見つかったのは今回が初めてである。研究論文第一著者のDr. Billerは、「小胞が海洋にふんだんに漂っているという発見は、これまでの小胞に関する理解が不足だったことを意味している。これま
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