ヒトマイクロバイオームのゲノムデータから新しい抗生物質を発見
サイエンス出版部 発行書籍
現在使われている抗生物質のほとんどが細菌の産生する天然物質を基礎としており、現在、細菌が抗生物耐性を獲得する速さを考えると、より新しい抗生物質の開発を進めなければならない。しかし、細菌に新しい抗生物質を産生させるのは少々厄介である。ほとんどの細菌は研究室では培養できない。 また、たとえ培養できたとしても、細菌が抗生物質としての特性を備えた物質をつくり出す遺伝子が起動することはない。しかし、ロックフェラー大学の研究チームは、この問題を回避する方法を発見した。微生物のゲノムを調べ、計算的手法を用いてどの遺伝子が抗生物質特性を持った物質をつくり出すかを判定し、その化合物を自分たちで合成したのである。その結果、細菌を培養することなく、効果が予想される新しい抗生物質を2種発見することができた。ロックフェラー大学Laboratory of Genetically Encoded Small MoleculesのDr. Sean Brady率いる研究チームは、まず人体に棲む細菌(ヒトマイクロバイオーム)のゲノムの公開データベースを徹底的に調べることから始めた。次に、フミマイシンを発見した実績を有する専用コンピュータ・ソフトウエアで何百というゲノムをスキャンし、多くの抗生物質の基礎を形成している非リボソーム・ペプチドと呼ばれる物質を産生すると考えられる遺伝子クラスターを探した。さらに、同じソフトウエアを用い、その遺伝子クラスターが産生すると考えられる分子の化学構造式を予想した。 研究チームはこのソフトウエアにより、さらに有望な遺伝子クラスターを57種見つけ、それを30種にまで絞り込んだ。そこでペプチド固相合成法という方法を用いて25種類の化合物をつくった。その25種をヒト病原菌で試験し、構造の似た2種の抗生物質を見つけることができた。その2種はフミマイシンA、フミマイシンBと名付
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