コウモリが被害を受けずにコロナウイルスを運べるのは、コウモリのスーパー免疫が理由か?コウモリ-ウイルスの相互適応の微妙なバランスに対するストレスの影響が、ヒトや他の種へのウイルスジャンプの根底にある可能性

2020
5月 14
(木)
10:00
微生物/ウイルス研究のバイオニュース

コウモリが被害を受けずにコロナウイルスを運べるのは、コウモリのスーパー免疫が理由か?コウモリ-ウイルスの相互適応の微妙なバランスに対するストレスの影響が、ヒトや他の種へのウイルスジャンプの根底にある可能性

カナダのサスカチュワン大学(USask)の研究チームは、コウモリが病気になることなく中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスを運び、ヒトや他の動物にどのようにしてジャンプするのかを解明した。これらのウイルスは深刻な、そしてしばしば致命的な病気を引き起こす可能性があるが、コウモリには無害のようだ。
Scientific Reportsで発表されたこのオープンアクセス論文は「中東呼吸器症候群コロナウイルスによる食虫性コウモリ細胞の持続感染時のウイルス変異体の選択」と題されている。


カナダのサスカチュワン大学(USask)の研究チームは、コウモリが病気になることなく中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスを運び、ヒトや他の動物にどのようにしてジャンプするのかを解明した。MERS、重症急性呼吸器症候群(SARS)、および最近ではCOVID19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスなどのコロナウイルスは、コウモリに由来すると考えられている。 これらのウイルスは深刻な、そしてしばしば致命的な病気を引き起こす可能性があるが、コウモリには無害のようだ。このことは今まで十分に理解されていなかった。
「コウモリはウイルスを排除せず、病気にもならない。MERSウイルスがヒトのようにコウモリの免疫応答を遮断しない理由を理解したかった」と、USaskの微生物学者Vikram Misra博士は述べた。Scientific Reportsで発表された研究で、チームは初めて、食虫性ブラウンバットの細胞が、コウモリとウイルスの両方からの重要な適応により、数ヶ月間MERSコロナウイルスに持続的に感染する可能性があることを実証した。
このオープンアクセス論文は「中東呼吸器症候群コロナウイルスによる食虫性コウモリ細胞の持続感染時のウイルス変異体の選択(Selection of Viral Variants During Persistent Infection of Insectivorous Bat Cells with Middle east Respiratory Syndrome Coronavirus.)」と題されている。 論文の著者であるMisra 博士は、「ウイルスがコウモリ細胞を殺す代わりに、コウモリのユニークな『スーパー』免疫システムによって維持され、宿主との長期的な関係に入っている」と述べた。 「SARS-CoV-2は同じように動作すると考えられている。」

Misra 博士は、チームの作業はコウモリへのストレス(市場、他の病気、そしておそらく生息地の喪失)が、他の種にこぼれるコロナウイルスに役割を果たす可能性があることを示唆していると言う。 「コウモリがその免疫系にストレスを感じると、免疫系とウイルスのバランスが崩れ、ウイルスが増殖することが可能になる」

この研究は、ウサスクのウエスタン獣医大学およびVIDO-InterVacの研究者チームによって、世界最大のバイオセーフティーレベル3の研究施設の1つである、ウサスクのワクチンおよび感染症機構である国際ワクチンセンター(VIDO-InterVac)で行われた。

 

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