Greenpharma Human Endogenous Ligand Library
現在のCOVID-19を引き起こすウイルスは、はるか昔の2019年12月に最初に人々を病気にしたウイルスと同じではない。現在流行している亜種の多くは、元のウイルスに基づいて開発された抗体ベースの治療薬の一部に部分的に耐性を持っている。パンデミックが続くと、必然的にさらに多くの亜種が発生し、耐性の問題は大きくなる一方だ。ワシントン大学医学部(セントルイス)の研究者らは、広範囲のウイルス亜種に対して低用量で高い保護効果を示す抗体を発見した。さらに、この抗体は、ウイルスの亜種間でほとんど違いのない部分に結合するため、この部分で耐性が生じる可能性は低いと考えられるという。本研究成果は、2021年8月18日にImmunity誌のオンライン版に掲載され、ウイルスが変異しても効力が失われにくい、新しい抗体ベースの治療法の開発に向けた一歩となる可能性がある。この論文は、「SARS-CoV-2を強力に中和する抗体が、高度に保存されたエピトープのユニークな結合残基を利用して、懸念されるバリアントを抑制する(A Potently Neutralizing SARS-CoV-2 Antibody Inhibits Variants of Concern By Utilizing Unique Binding Residues in a Highly Conserved Epitope)」と題されている。