大腸菌の高線量放射線損傷耐性化研究
サイエンス出版部 発行書籍
生物には苛酷な環境の攻撃に対応して進化していく能力が備わっている。ある研究チームがこの生物の能力を利用してモデル細菌Escherichia coliの電離放射線に対する耐性を大きく引き上げただけでなく、耐性向上の遺伝子的メカニズムも解明した。2014年3月4日付オンライン・ジャーナル「eLife」のオープン・アクセスの研究論文で、大腸菌がわずかな突然変異で通常なら致命的な量の放射線にも耐えられるようになったことを示している。 この研究は、生物が放射線による細胞の損傷に耐え、DNAの損傷を修復する能力をより深く理解するための手がかりになる重要な発見である。eLife研究報告書の筆頭著者、University of Wisconsin-MadisonのMichael Cox生化学教授は、「私たちの研究から、修復システムが環境に順応し、この順応能力が放射線耐性向上に寄与していることが示されている」と述べている。以前にDr. Coxの研究チームがLouisiana State Universityの生物科学教授、Dr. John R. Battistaと共同で行った研究で、大腸菌の培養器をコバルト60アイソトープの高線量放射能に曝露することで大腸菌が進化し、電離放射能に耐性を持つようになることを実証している。 Dr. Coxは、「大腸菌が99%死滅するまで放射線を照射した。その後、生き残った大腸菌を培養し、再び放射線を照射するという作業を20回繰り返した」と述べている。その結果、大腸菌は、10の4乗倍の電離放射線にも耐えられるようになった。これは、1950年代に発見されたデイノコッカスラディオデュランスという砂漠に棲息する細菌が持っている驚異的な放射線耐性に匹敵する。この細菌は、人間が死ぬ線量の1000倍の放射線を浴びても生き延びることができる。Dr. Coxは、「デイノ
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