マラリア寄生虫の細胞分裂メカニズムを解明:新たな治療ターゲットの可能性
サイエンス出版部 発行書籍
マラリア寄生虫の細胞分裂を制御する新たなタンパク質を発見—新治療法への道を切り開く研究 イギリスのノッティンガム大学を中心とする研究チームが、マラリアを引き起こす寄生虫「プラスモジウム」の細胞分裂のメカニズムを解明しました。この研究は、寄生虫が細胞分裂を通じてどのように病気を拡散させるかを理解し、新たな治療法を開発するための重要な一歩とされています。研究成果は、オープンアクセスジャーナルPLoS Biologyに2024年9月10日付で発表されました。この論文のタイトルは「Plasmodium NEK1 Coordinates MTOC Organisation and Kinetochore Attachment During Rapid Mitosis in Male Gamete Formation(プラスモジウムNEK1によるMTOCの構造化と動原体の付着調節:雄性配偶子形成における急速な有糸分裂中の役割)」です。 マラリアとその影響 マラリアは開発途上国で深刻な公衆衛生問題となっています。2022年にはWHOによると約60万8千人がこの病で命を落としました。この病気の原因であるプラスモジウムは、単細胞寄生虫で、肝臓や赤血球に侵入し、雌の蚊を媒介に広がります。 研究の目的と成果 この新研究は、ノッティンガム大学生命科学部のリタ・テワリ教授(Professor Rita Tewari)とジュネーブ大学のマチュー・ブロシェ教授(Professor Mathieu Brochet)によって主導されました。この研究では、特に蚊の体内での寄生虫の発育段階に着目し、独特な細胞分裂の仕組みを解明することで、将来的な治療ターゲットを見出すことを目指しています。 テワリ教授は次のように述べています。「COVID-19を見ても明らかなように、病気そのものを制御するだけで
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