土壌細菌が地球温暖化に対応してDNAを変異させる
サイエンス出版部 発行書籍
科学者が気候変動の影響を予測しているが、一つ、その中で見過ごされているのは、地球が温暖化した時、土壌中の炭素がどうなるのか、またこの炭素の動きを決めている土壌中の微生物はどうなるのかという問題である。オクラホマ州の草地の研究をした科学者チームが、土壌のすぐ上の気温が摂氏2度上昇しただけでも地中の微生物の生態系が大幅に変化することを突き止めた。 研究では、気温上昇がない対照群植物と比較すると、温暖化区画の植物は生長も速く、また丈も高くなり、その結果、植物の老化につれてより多くの炭素を有機炭素の形で土壌中に封じ込めることが明らかになった。 しかし、もう一方で温度変化に対応してDNAを変異させた微生物生態系は、増えた有機炭素を処理する能力も高まっていた。Georgia Institute of TechnologyでEnvironmental EngineeringのCarlton S. Wilder Chairを務める准教授、Dr. Kostas Konstantinidisは、「この研究の結果、気候温暖化は土壌生態系に影響を及ぼすことが明らかになった。微生物は環境変化を利用するために遺伝子を変異させたようだ」と述べている。この研究論文は、2013年12月27日付Applied and Environmental Microbiologyオンライン版に掲載された。この研究はDepartment of Energyの出資で行われ、University of Oklahomaなどいくつかの大学が共同研究に参加した。この発見は、自然界でもっとも複雑な生態系である土壌の気候変動に対する対応についてより良く理解することを目的として10年にわたり続けられてきた研究の成果である。1グラムの土には少なくとも4,000種、10億個の細菌が棲んでいる。それに比べれば、人間の消化器官に棲ん
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