H.ピロリ菌が胃の中の酸性環境からどうやって逃げているのか−原子結晶構造解析で判明
サイエンス出版部 発行書籍
オレゴン州立大学(UO)の研究チームが、ヘリコバクターピロリ菌がどのようにして胃内部の酸性環境を生き抜くのかを発見し、病因作用を抑え込む新たな除菌法への道を開いた。現在の除菌法では、除菌が十分でなかったり、副作用によって除菌治療が続けられなかったりする。H.ピロリ菌の酸レセプターTlpBの結晶構造を明らかにした研究結果は、Structure誌2012年6月14日オンライン版に発表された。このレセプターは、PAS領域として同定されている外部突起部を有し、低分子である尿素の結合を受けることで、外部環境の状態を計測している。細胞外PAS領域を含む、機能が明らかな化学レセプターが、結晶学的に明らかにされたのは、TlpBが初めてであると研究チームは説明している。 「この領域は大変美しい構造をしていますが、このクラスのタンパクでは、これまで一度も観察された事はありません。」とUO物理学教授でUO分子生物研究所(IMB)フェローである、S.ジェームス・レミントン博士は語る。バクテリアが過酷な化学環境の中で生き抜くための20年に渡る研究において、キーとなるレセプターが、1.38オングストロームの原子分解能によって初めて観察されたのである。グラム陰性菌であるH.ピロリ菌が最初に同定され、胃潰瘍と胃がんとに関与することが示されたのは、1982年であった。 世界の人口の半分の人が、胃の中にH.ピロリ菌を有しているにも拘らず、その伝播様式は正確には判っていなかったと、UO生物学教授でIMBフェローである共同著者のカレン・ギルミン博士は語る。H.ピロリ菌の感染と闘うには、患者は幅広いスペクトルを有する抗生物質を服用せねばならないが、バクテリアは体制を獲得し30%の症例では治療効果が喪失する。ポスドクのエミリー.G.スウィーニー博士と、現在はアリゾナ州立大学のポスドクであり、当時は博士課程の
CovalX コンフォメーショナルエピトープマッピング受託解析サービス
ヒト・マウス・ラットのモノクローナル抗体精製に便利な磁気ビーズ Ab-Capcher Mag
ラット・マウスのモノクローナル抗体精製に最適な高性能プロテインA アガロースビーズ Ab-Capcher
イオン対試薬用ソルナックチューブ LC/MS用オンライン脱塩チューブ
医学系国際学会における英語ポスター発表をサポートします 。
Mantis 次世代分注ディスペンサー
FFPE組織サンプル 深層ショットガンプロテオーム解析 受託サービス
同じカテゴリーの記事
Life Science News from Around the Globe
Edited by Michael D. O'Neill
バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill