人間の汗に含まれるタンパク質がライム病を防ぐ鍵を握る

人間の汗に含まれるタンパク質がライム病を防ぐ鍵を握る

サイエンス出版部 発行書籍

ライム病は、ダニによって媒介される細菌感染症で、アメリカ合衆国では毎年約50万人が影響を受けています。多くの場合、抗生物質によって感染が効果的に治療されますが、一部の患者では、症状が数ヶ月から数年にわたって続くことがあります。MITとヘルシンキ大学の研究者らは、人間の汗にはライム病に対する保護作用を持つタンパク質が含まれていることを発見しました。また、人口の約3分の1が、ゲノムワイド関連研究(GWAS)でライム病と関連付けられているこのタンパク質の遺伝的変異体を持っていることもわかりました。 このタンパク質がライム病を引き起こす細菌の成長をどのように抑制するかはまだ正確にはわかっていませんが、研究者らは、このタンパク質の保護能力を利用して、病気の予防や抗生物質に反応しない感染症の治療に役立つスキンクリームを開発することを望んでいます。 「このタンパク質はライム病からある程度の保護を提供するかもしれません、そして、このタンパク質に基づいた予防や治療の可能性には実際の意味があると思います」と、新しい研究の主要な著者の一人であるMITの生物工学部門の主任研究科学者、ミハル・カスピ・タル博士(Michal Caspi Tal, PhD)は述べています。 ヘルシンキ大学の分子医学研究所の上級研究者であり、MITとハーバード大学のブロード研究所の研究者でもあるハンナ・オリラ博士(Hanna Ollila, PhD)も、2024年3月19日にNature Communicationsに掲載された論文の上級著者です。論文の筆頭著者は、ヘルシンキ大学の分子医学研究所でポスドクを務めるサトゥ・ストラウス博士(Satu Strausz, PhD)です。このオープンアクセスの論文は「SCGB1D2 Inhibits Growth of Borrelia burgdorferi and A

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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