CRISPRの新機能:分子燻蒸で細胞防御を強化する仕組みを発見
サイエンス出版部 発行書籍
CRISPRシステムに新たな一面――分子燻蒸の役割を発見 遺伝子編集技術で知られるCRISPR-Cas9は、これまで「遺伝子のはさみ」としての役割が注目されてきました。しかし、CRISPRシステムにはそれだけでなく、多彩な戦略が備わっていることがわかっています。2024年10月28日にCell誌で発表された研究では、ロックフェラー大学の細菌学研究所のルチアーノ・マラッフィーニ博士(Luciano Marraffini, PhD)とMSKCCの構造生物学研究所ディンショー・パテル博士( Dinshaw J. Patel, PhD)のチームが、CRISPR-Cas10システムがウイルス感染に対して分子燻蒸のような防御を行う仕組みを発見しました。この研究は、論文「The CRISPR-Associated Adenosine Deaminase Cad1 Converts ATP to ITP to Provide Antiviral Immunity(CRISPR関連アデノシンデアミナーゼCad1によるATPからITPへの変換が抗ウイルス免疫を提供)」として公開されています。 CRISPRの多様な防御戦略 CRISPRシステム(clustered regularly interspaced short palindromic repeats、規則的に間隔をあけた短い回文反復配列)は、元々細菌の適応免疫系として機能しており、ウイルス(ファージ)やその他の外来遺伝子断片から自身を守る役割を果たします。これまで知られている6種類のCRISPRシステムのうち、今回の研究ではタイプIIIに分類されるCRISPR-Cas10システムを調査しました。CRISPR-Cas9と同様に、Cas10システムでもガイドRNAが問題のある遺伝物質を特定し、酵素がそれを切り取ります。しかしCas
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