牛乳からエクソソームを精製するスケーラブルな方法を開発。臨床応用への道が開かれる。

牛乳からエクソソームを精製するスケーラブルな方法を開発。臨床応用への道が開かれる。

サイエンス出版部 発行書籍

エクソソームとは、細胞がデリケートな分子を保護し、全身に届けるために作るナノサイズの生体カプセルである(他にも機能がある)。エクソソームは、酵素による分解や、腸や血流中の酸性度や温度の変化にも耐えられる丈夫なカプセルであり、ドラッグデリバリーの候補として期待されている。しかし、臨床レベルの純度を達成するためにエクソソームを採取するのは、複雑なプロセスを要する。バージニア工科大学(VTC)のFralin Biomedical Research Instituteの教授であり、Center for Vascular and Heart ResearchのディレクターであるRob Gourdie博士は、「エクソソームは牛乳に豊富に含まれているが、他の乳タンパク質や脂質から分離するのは困難だった」と述べている。Gourdie博士の研究室では、殺菌していない牛乳からエクソソームを採取するスケーラブルな方法を開発した。Nanotheranostics誌に掲載されたこの精製方法を用いることで、研究チームは1ガロンの未殺菌牛乳に対して約1カップの精製されたエクソソームを抽出することがでたという。このオープンアクセス論文は、「牛乳から高品質な精製低分子細胞外小胞をスケーラブルに製造するための新規プロトコル(Novel Protocols for Scalable Production of High Quality Purified Small Extracellular Vesicles from Bovine Milk)」と題されている。 Gourdie博士は、Commonwealth Research Commercialization Fund Eminent Scholar in Heart Reparative Medicine Researchや、Virginia Tech

Life Science News from Around the Globe

Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

バイオクイックニュースは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中のバイオニュース(生命科学・医学研究の動向)をタイムリーにお届けします。バイオクイックニュースは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill

LinkedIn:Michael D. O'Neill