ヒトの言葉の起源に迫る!NOVA1タンパク質の「ヒト特有の型」がマウスの鳴き声を変えた

サイエンス出版部 発行書籍
私たちヒトが、他の動物と一線を画す「言葉」。その起源は、いまだ多くの謎に包まれています。夕焼けの美しさを語り、遠い水源への道を教え合う複雑なコミュニケーションは、本当にホモ・サピエンスだけの特権なのでしょうか? 近年、私たちの「言葉」の進化に光を当てるかもしれない、あるタンパク質の「ヒト特有のカタチ」が注目されています。ロックフェラー大学の研究チームが、このタンパク質の謎に迫り、マウスを使った実験で驚くべき結果を得ました。もしかしたら、この小さな違いが、私たちが言葉を獲得する上で大きな一歩となったのかもしれません。2025年2月18日にNature Communications誌で発表された、ロックフェラー大学のロバート・B・ダーネル(Robert B. Darnell)医学博士の研究室によるこの画期的な研究は、神経発達に重要な役割を果たす脳内RNA結合タンパク質(acronym: RNA binding protein)「NOVA1」のヒト特異的な変異体に焦点を当てています。研究チームがこのヒト型NOVA1をマウスに導入したところ、マウスたちの「会話」に変化が現れたのです。 この研究論文のタイトルは「A Humanized NOVA1 Splicing Factor Alters Mouse Vocal Communications(ヒト化NOVA1スプライシング因子はマウスの発声コミュニケーションを変化させる)」です。この研究では、このNOVA1の変異体が、私たちの祖先と交配し、現代人のゲノムにもその痕跡を残している古代型人類であるネアンデルタール人やデニソワ人には見られないことも確認されました。 分子神経腫瘍学研究室を率いるダーネル博士は、「この遺伝子は、初期現生人類における広範な進化的変化の一部であり、話し言葉の古代の起源を示唆しています」と述べています。
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