生命進化最大の謎「真核細胞の誕生」を解明!カギは物理学の”相転移”にあり

サイエンス出版部 発行書籍
私たち人間を含む複雑な生物の祖先、「真核細胞」はどのようにして生まれたのでしょうか?この生命進化における最大のジャンプは、長年「生物学の中心にあるブラックホール」と呼ばれ、大きな謎に包まれてきました。しかし今、物理学の「相転移」という概念を武器に、その誕生の瞬間に光を当てる画期的な研究が登場しました。生命の複雑化への扉を開いたカギは、遺伝子の「長さ」に隠されていたのです。 生命進化のブラックホールに挑む マインツ、バレンシア、マドリード、チューリッヒの4人の上級科学者による国際共同研究チームは、2025年3月27日に学術誌『PNAS』にて、地球上の生命の進化の歴史において最も重要な複雑化である真核細胞の起源に光を当てる、画期的な研究を発表しました。このオープンアクセスの論文は、「The Emergence of Eukaryotes As an Evolutionary Algorithmic Phase Transition(進化的アルゴリズム相転移としての真核生物の出現)」と題されています。 真核細胞は、古細菌と細菌の融合によって生まれたという細胞内共生説が広く受け入れられていますが、その融合から真核細胞が出現するまでの数十億年間、進化の系統樹には中間的な生物が見当たらず、私たちの知識には大きな空白期間が存在します。これが「生物学の中心にあるブラックホール」と呼ばれる所以です。「この新しい研究は、理論的アプローチと観察的アプローチを融合させ、生命の遺伝的構造がどのようにしてこれほどの複雑性の増大を可能にしたのかを、定量的に理解するものです」と、本プロジェクトでヨハネス・グーテンベルク大学マインツ(JGU)を代表するエンリケ・M・ムロ博士(Enrique M. Muro, PhD)は述べています。 遺伝子とタンパク質の長さが語る進化の物語 『PNAS』
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