スーパー・コンピュータでDNA修復によるがん予防機序解明
サイエンス出版部 発行書籍
生物種の特徴を決める生物学的情報はDNAにエンコードされており、そのDNAの損傷は、細胞が分裂増殖する過程で否応なく起きる自然な生物学的現象である。その他にも、過剰に太陽光にさらされるなど外的要因でもDNAの損傷が起きる。Michigan State Universityの生化学・分子生物学教授のDr. Michael Feigは、人体が損傷を受けたDNAを識別し、修復しようとする機序に深い関心を持っており、特に欠陥DNAを識別し、DNA修復を開始するMutSやMSH2-MSH6などのタンパクを研究している。 この自然なDNA修復の過程は、MutS (各種DNAのミスマッチを認識する主力タンパク) などのタンパクがDNAをスキャンし、不良箇所を発見すると他の酵素を呼び出し、実際の修復を行わせるというように進む。Dr. Feig は、「ここで重要なのは、この不良箇所発見の仕組みを理解することだ。DNAの損傷は頻繁に起きており、そのDNAを自分で修復できなければ長くは生きられない」と説明する。なぜなら、損傷したDNAを修復しないままにしておくと細胞を次々と損ない、がんのような疾患になるからである。 Dr. Feigは、大学院生だった1998年当時から国のスーパーコンピュータ設備を利用し、大規模なコンピュータ・シミュレーションで細胞判別過程を詳しく解明してきた。数値シミュレーションを使うことで、MutS、MSH2-MSH6がDNAをスキャンし、どのDNAが修復の必要があるかを判断する様子を原子レベルで詳しく観察することができた。この仕組み全体は非常に複雑なため、その研究には大規模なコンピュータ設備で何年にもわたって何千万時間ものCPUコア稼働時間をかけなければらない。Dr. Feigは、「私たちの研究では求める答を得るためには、原子レベル高解像度のシミュレーション機能を
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