関節リューマチにおける遺伝子のエピジェネティックな変化

関節リューマチにおける遺伝子のエピジェネティックな変化

サイエンス出版部 発行書籍

DNAだけのせいで、私たちの病気に成りやすさや、影響を受けやすくさが決まる訳ではない。昨今の研究によれば、DNAの配列の変化には関連しないようなDNAの変化、つまりエピジェネティクスと呼ばれる変化によっても、配列変化と同じくらいの大きな影響を受ける事が、明らかになってきている。カルフォルニア大学(UC)サンディエゴ医学校・リューマチ・アレルギー・免疫学部の教授であるギャリー・S・ファイアーステイン博士に率いられる研究チームが、通常はガンや胎児発達の分野で研究対象となる、DNAメチル化と呼ばれるメカニズムが、関節リュウマチ(RA)の進行に大きく関与している事を突き止めた。   メチル化応じたエピジェニック変化が、炎症や関節の損傷に関与している事が明らかにされた。研究結果はAnnals of the Rheumatic Diseases誌オンライン版の2012年6月26日号に発表された。 「ゲノミクスの研究が進み、私たちは関節リュウマチの重症度や罹患しやすさ等の理解を、大いに深めることが出来ました。但し、この疾患に関与する多くの遺伝子学的な因子が見つかっていますが、私たちは、例えば瓜二つの双子の一人がRAを患っているケースにおいて、片方が同じように患っているケースは12%から15%に過ぎない事も知っています。この事実は、他に要因がある事を示唆しており、それがエピジェネティックの関与なのです。」とファイアーステイン博士は語る。DNAのメチル化はエピジェネティック変化の一例だが、DNAが2重らせん構造をとった後、4つの塩基のうちの一つであるシトシン(C)のどれかに、メチル基が結合するのである。このメチル化によって、遺伝子の発現が制御されているのだが、ガンの場合はこのメチル化が異常になり、臓器の生育ではメチル化のパターンが重要な役割を果たす。自己免疫疾患において、個々の遺伝子の

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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