アフリカの野生猿がマラリア感染の被害を受ける中、ボノボはヒトに似た免疫遺伝子変異で有効に防御していることが判明。
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絶滅危惧種である類人猿は、ヒトと同様にマラリアに感染する。野生のボノボから得られた新たな証拠は、マラリアが彼らにとっても有害であることを示している。マラリアは、感染した蚊に刺されることで感染する寄生虫によって引き起こされる壊滅的な病気だ。ヒトの場合、最初は発熱、頭痛、悪寒などの軽い症状から始まがるが、マラリア感染すると24時間以内に命に関わる。猿の場合、マラリアの病気がどのようなものか、またどの程度致命的なものなのか殆どわかっていない。 「症状や死亡リスクについては、まだよく分かっていない。」と、ワシントン大学セントルイス校のアート&サイエンスの生物人類学助教授であるエミリー・ウロブルフスキー博士は述べている。「飼育下において、病気の症状を示した感染動物の数は限られている。発熱など、感染に関連しそうな症状を示すこともあれば、そうでないこともある。そして、野生では、これらのことを追跡するのは非常に困難だ。」 科学者らは、野生のチンパンジーとゴリラの地理的範囲にマラリア感染が広がっていることを知っている(研究者が類人猿の糞便から寄生虫DNAを検出したため)。実際、アフリカの類人猿は少なくとも12種類の原虫を保有しており、そのうち7種類はヒトの死因の約95%を占める寄生虫と近縁であることが分かっている。しかし、猿の一種であるボノボは、これまで研究者が野生で調査した2カ所を除くすべての場所で感染を免れている。ボノボの38%が糞便から寄生虫のDNAを検出しており、感染した個体群と、コンゴ民主共和国の自然域にある他の10カ所のボノボの未感染個体群を比較することができる。 この違いは、マラリアが類人猿の健康と死亡率にどのような影響を与えるかについて、基本的な事実を解明しようとする機会を研究者に与えてくれた。ウロブルフスキー博士の新しい研究は、2023年2月23日にNature
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