自由に動き回るタコの脳波を世界で初めて記録に成功

自由に動き回るタコの脳波を世界で初めて記録に成功

サイエンス出版部 発行書籍

科学者らは、電極とデータロガーを生物に直接埋め込むことによって実現した、自由に動くタコの脳活動の記録に成功した。この研究は、2022年12月23日にCurrent Biology誌のオンライン版に掲載され、タコの脳がどのように行動を制御しているかを解明する上で重要な前進であり、知能や認知が起こるために必要な共通原理を知る手がかりになると考えられる。このオープンアクセス論文は「行動するタコの脳から電気活動を記録する(Recording Electrical Activity from the Brain of Behaving Octopus)」と題されている。 「脳の働きを理解したいのであれば、タコは哺乳類との比較対象として研究するのに最適な動物だ。大きな脳、驚くほどユニークな体、そして脊椎動物とはまったく異なる発達を遂げた高度な認知能力を備えている」と、筆頭著者で沖縄科学技術大学院大学(OIST)の物理・生物学ユニットの元ポスドク研究員であるタマル・グトニック博士は述べている。 しかし、タコの脳波を測定することは、技術的に本当に難しいことが判明した。タコは脊椎動物とは異なり、体が柔らかいため、記録装置が外れないように固定する頭蓋骨がないのだ。 「タコは8本の強力で柔軟な腕を持っていて、体のどこにでも手が届く。そのため、機器を皮膚の下に置くことで、完全に手の届かないところに置く方法が必要だった」とグトニック博士。 そこで、小型・軽量のデータロガーに着目。研究チームは、タコの体内に簡単に収まる大きさでありながら、防水性を持たせるためにこの装置を改良した。また、低温下で動作するバッテリーを使用することで、最大12時間の連続記録が可能となった。 研究チームは、一般的にワモンダコとして知られているOctopus cyaneaを、その大きさからモデル動物として選んだ。研究

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Edited by Michael D. O'Neill

Michael D. O'Neill

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