シーラカンスは従来予想の5倍の1世紀近く生きることが判明
サイエンス出版部 発行書籍
絶滅したと思われていたシーラカンスは、海の奥深くに生息する巨大な魚だ。今回、2021年6月17日付けのCurrent Biology誌オンライン版に掲載された報告によると、シーラカンスは、その巨大さに加えて、非常に長い時間、おそらく1世紀近く生きることができるという証拠が得られ、最高齢の標本は84歳であったという。また、シーラカンスは55歳前後で成熟し、5年間子供を妊娠するなど、非常にゆっくりとした生活を送っていることも報告されている。 フランスのブローニュ=シュル=メールにあるIFREMER海峡・北海漁業研究ユニットのKélig Mahé博士は、「今回の最も重要な発見は、これまでシーラカンスの年齢を5分の1に過小評価していたことだ」と述べている。「シーラカンスの年齢を新たに推定したことで、同サイズの海産魚の中で最も遅いとされるシーラカンスの体の成長や、その他の生活史的特徴を再評価することができ、シーラカンスの生活史は実際にはすべての魚の中で最も遅いもののひとつであることがわかった」と述べている。 これまでの研究では、シーラカンスの年齢を測定するために、12匹の小さなサンプルの鱗に刻まれた成長環を直接観察していた。その結果、シーラカンスは20年以上生きていないのではないかと考えられていた。もしそうだとすれば、シーラカンスはその大きさからして、最も成長の早い魚の一つということになる。シーラカンスの生物学的・生態学的特徴として知られている代謝の遅さや繁殖力の低さなどは、他の多くの深海生物のようにゆっくりとした生活史を持ち、ゆっくりと成長する魚の典型的な特徴であることを考えると、これは意外なことに思えた。 Mahé博士は、共著者のBruno Ernande博士、Marc Herbin博士とともに、フランス国立自然史博物館(Muséum National d'Histoire
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