ロブスターの下腹部をモデルに、驚異的な伸縮性と強度を再現したナノファイバーハイドロゲルが開発された。腱や靭帯など人工組織への応用を目指す。
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ロブスターの下腹部には、伸縮性と驚くほどの強靭さを兼ね備えた薄い半透明の膜が張り巡らされている。MITのエンジニアが2019年に報告したところによると、 この海洋のアンダーアーマーは、自然界で知られている中で最も強靭なハイドロゲルから作られており、しかも非常に柔軟性があるという。この強さと伸縮性の組み合わせは、海底を這い回るロブスターのシールドになると同時に、泳ぐために前後に曲がることも可能にする。今回、マサチューセッツ工科大学(MIT)の別のチームが、ロブスターの下腹部の構造を模倣したハイドロゲルベースの材料を作製した。 研究チームは、この素材を使って伸縮性や衝撃性のテストを行ったところ、ロブスターの下腹部と同様に、この合成素材は、繰り返しの伸縮にも破れずに耐えることができる「耐疲労性」に優れていることがわかった。この製造プロセスを大幅にスケールアップすることができれば、ナノファイバーハイドロゲルから作られた材料は、人工腱や人工靭帯など、伸縮性と強度を備えた代替組織の製造に利用できるようになるだろう。 この研究成果は、2021年4月23日に米国の学術誌「Matter」のオンライン版に掲載された。この論文は、「ロブスターの下腹部からヒントを得た、強い疲労耐性を持つナノファイバーハイドロゲル(Strong Fatigue-Resistant Nanofibrous Hydrogels Inspired by Lobster Underbelly)」と題されている。この論文のMITでの共著者には、ポスドクのJiahua Ni氏とShaoting Lin氏、大学院生のXinyue Liu氏とYuchen Sun氏、航空宇宙学教授のRaul Radovitzky博士、化学教授のKeith Nelson博士、機械工学教授のXuanhe Zhao博士、そして元研究員のDav
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