薬を使わずして免疫がHIVをコントロールする稀な集団『エリート・コントローラー』の謎に迫る研究成果が発表された
サイエンス出版部 発行書籍
免疫というと、感染やワクチン接種後に特定の病原体と戦うために学習する抗体やT細胞からなる適応免疫反応を思い浮かべることが多い。しかし、免疫システムには自然免疫反応もあり、これは、病原体に対して専門的ではない迅速な反応を行い、適応免疫反応をサポートするために、決まった数の技術を使用する。しかし、ここ数年、自然免疫反応のある部分が、場合によってはHIVなどの感染性病原体に対応して訓練されることがわかってきた。 マサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学ラゴン研究所のコアメンバーであるXu Yu医学博士らは、最近、Journal of Clinical Investigation誌に研究論文を発表し、薬を使わずして免疫システムがHIVをコントロールする稀な集団であるエリート・コントローラーには、自然免疫反応の一部であるミエロイド樹状細胞があり、訓練された自然免疫細胞の特徴が見られることを示した。 このオープンアクセス論文は、2021年5月3日にオンラインで公開され、「長鎖非コードRNA MIR4435-2HGは、HIV-1エリートコントローラーの骨髄性樹状細胞の代謝機能を高める ( Long Noncoding RNA MIR4435-2HG Enhances Metabolic Function of Myeloid Dendritic Cells from HIV-1 Elite Controllers )」と題されている。 Yu博士は、「RNAシーケンス技術を用いて、MIR4435-2HGという長鎖状のノンコーディングRNAを同定した。今回の研究では、MIR4435-2HGがこの亢進した状態の重要なドライバーであり、訓練された反応を示しているかもしれない」と述べている。ミエロイド樹状細胞の主な仕事は、エリート・コントローラーのHIV感染抑
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