免疫の定説を覆す!グランザイムK(GZMK)が補体系を介し自己組織を攻撃

サイエンス出版部 発行書籍
免疫系の「諸刃の剣」? 100年来の定説を覆す発見が自己免疫疾患治療に新たな光 私たちの体には、病原体などの脅威から身を守るための精巧な免疫システムが備わっています。その中でも「補体系」は、100年以上前に発見された、感染や組織損傷の兆候をパトロールするタンパク質群からなる強力な防御メカニズムです。しかし、この頼もしいはずの補体系が、時として自身の組織を攻撃してしまうことがあるのはなぜでしょうか?この度、マス・ジェネラル・ブリガムの研究者たちは、「グランザイムK(GZMK: granzyme K)」と呼ばれるタンパク質が、補体系を活性化させ、自身の組織に対する炎症や損傷を引き起こすという驚くべき事実を発見しました。この発見は、補体系に関する長年の理解を覆すだけでなく、自己免疫疾患や炎症性疾患の新たな治療法開発への扉を開くものです。 私たちの免疫システムは、有害な脅威を検知し排除するために設計された様々な防御機構を備えています。その最も強力な防御メカニズムの一つが補体系です。これは、私たちの体をパトロールし、感染や損傷の兆候を常に警戒しているタンパク質群です。補体系が最初に記述されてから100年以上が経過した今、マス・ジェネラル・ブリガムの研究者たちは、グランザイムK(GZMK)として知られるタンパク質が、補体系を自身の組織に対して活性化させることにより、組織損傷と炎症を引き起こすことを発見しました。彼らの発見は、補体系に関する世紀を超えた理解を再構築するだけでなく、自己免疫疾患や炎症性疾患の患者において、この有害な経路を特異的に遮断できる可能性のある治療法への新たな道を開くものです。この研究成果は、2025年2月6日にNature誌に掲載されました。論文タイトルは「Granzyme K Activates the Entire Complement Cascade(
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