2種のゲノム分析法を組み合わせた研究で自閉症を引き起こす免疫系の存在を裏付ける
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自閉症を引き起こす遺伝子を突き止めるため、新しいスキームと新しい方法論で取り組んできた研究グループが、いくつかの免疫系関連遺伝経路に撹乱が起きた場合に自閉症スペクトラム障害が起きやすいという証拠を発見した。2012年12月4日付のオープン・アクセス学術誌「PLos ONE」で発表された研究報告は、自閉症に関連するDNA塩基配列変異の分析と自閉症児のいる家族の研究で突き止められたマーカーの分析とを統合することで、自閉症における免疫機能の役割を裏付けている。 PLos One論文の共同筆頭著者、マサチューセッツ総合病院 (MGH) 神経科のVishal Saxena博士は、「これまで他の研究者は、免疫機能が自閉症を引き起こしているとは言っていたが、私たちは、まったく偏見を持たずに取り組み、免疫系が自閉症に関わっていることを突き止めた。何がもっとも重要なのかを偏見なしにデータに語らせるという方法を取った結果、自閉症の背後にある免疫系の機序では、ウィルス感染経路がもっとも重要だということが顕著に現れていた」と述べている。 自閉症児の個人を含む複数の家族の遺伝学的な研究では、ゲノム上のいくつかの位置に遺伝的連鎖が見つかった。従来のゲノムの解読法では、マーカーの位置にもっとも近い遺伝子がその遺伝形質の原因とされているが、それでは、家族によって異なる遺伝子が自閉症を引き起こしていることになる。しかし、Saxena博士の研究チームでは、自閉症には共通した典型症状があり、同じ生物学的過程が影響を受けているのだから、異なる家族であっても、共通の分子生理学的作用が起きているはずだと考えた。ゲノム上のこれらの自閉症関連の位置を含み込んだ遺伝経路を探すため、チームは、「Linkage-ordered Gene Sets (LoGS)」と名付けられた手法を開発した。この手法では、マーカーの位
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