断食中の血糖値を調整する免疫細胞の新たな役割を解明
サイエンス出版部 発行書籍
断食や運動中に血糖値を調整する免疫細胞の新たな役割を発見 免疫システムといえば感染症との戦いが思い浮かびますが、2025年1月17日に科学誌Scienceに発表されたポルトガル・シャンパリモー財団の研究が、驚くべき新しい役割を明らかにしました。この研究によれば、エネルギーが不足する断食や運動時に、免疫細胞が血糖値を調整する「郵便配達人」として働くことがわかったのです。この研究は、神経系、免疫系、ホルモン系が織りなす新たなネットワークを示し、糖尿病や肥満、がんといった疾患の治療法に新しいアプローチを提供する可能性があります。論文のタイトルは「Neuronal-ILC2 Interactions Regulate Pancreatic Glucagon and Glucose Homeostasis(神経とILC2の相互作用が膵臓のグルカゴンと血糖恒常性を調節する)」です。 免疫システムの再定義 「免疫学は長らく感染症との闘いを中心に研究されてきましたが、免疫系はそれ以上の働きを持っています」と語るのは、シャンパリモー財団免疫生理学研究室の責任者であるエンリケ・ヴェイガ=フェルナンデス博士(Henrique Veiga-Fernandes, PhD)です。私たちの脳や筋肉の主要なエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)の安定した供給は、生存に不可欠です。これまで血糖値の調整は、インスリンとグルカゴンという膵臓で作られるホルモンに依存していると考えられてきました。インスリンは細胞内へのグルコースの取り込みを促進し、グルカゴンは肝臓に蓄えられたグルコースを放出させます。しかし、ヴェイガ=フェルナンデス博士は、「神経系と免疫系が他の主要なプロセス、例えば血糖値の調整に協力している可能性がある」と考え、研究を進めました。 発見された新しい回路 研究チームは、特定の免疫細胞
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