固形癌との闘いに体内の免疫システムを最適化する新研究

2021
6月 9
(水)
16:40
免疫学のバイオニュース

固形癌との闘いに体内の免疫システムを最適化する新研究

ミネソタ大学ツインシティーズ校の工学・医学研究者が主導した画期的な研究により、新しい癌治療法に使用される人工免疫細胞が物理的な障壁を乗り越え、患者自身の免疫システムが腫瘍と闘うことができることが示された。この研究は、将来、世界中の何百万人もの人々のために、癌治療を改善する可能性がある。
本研究は、2021年5月14日にNature Communications のオンライン版に掲載された。この論文は、「構造的にも機械的にも複雑な腫瘍の微小環境を通じたT細胞の三次元移動強化エンジニアリング(Engineering T Cells to Enhance 3D Migration Through Structurally and Mechanically Complex Tumor Microenvironments)」と題されている。

免疫療法とは、化学薬品や放射線の代わりに、患者の免疫システムが癌と闘うのを助ける癌治療法の一種だ。T細胞は白血球の一種であり、免疫システムにとって重要な役割を果たしている。細胞障害性T細胞は、標的となる侵入者の細胞を探し出して破壊する兵士のようなものだ。血液や血液を作る器官に発生した一部の癌に対しては免疫療法が成功しているが、固形癌ではT細胞の仕事ははるかに困難だ。本研究の上席著者であり、ミネソタ大学理工学部の生物医学工学准教授であるPaolo Provenzano博士は、「腫瘍は一種の障害物コースのようなもので、T細胞は癌細胞に到達するために試練を乗り越えなければならない」「T細胞は腫瘍に侵入するが、うまく動き回ることができず、ガス欠で疲弊する前に必要な場所に行くことができない」と述べている。
この世界初の研究では、T細胞を工学的に設計し、機械的に最適化したり、障壁を乗り越えるのに適した「適合性」を持たせるための工学的設計基準を開発している。これらの免疫細胞が癌細胞を認識してたどり着くことができれば、腫瘍を破壊することができる。繊維質の塊である腫瘍では、腫瘍の硬さのために免疫細胞の動きが約2倍遅くなる--まるで流砂の中を走っているかのように。

 

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