老化T細胞を除去し、肥満による代謝障害を改善する新しいワクチンの開発

2020
7月 16
(木)
10:30
免疫学のバイオニュース

老化T細胞を除去し、肥満による代謝障害を改善する新しいワクチンの開発

老化は多面的なプロセスであり、多くの点で我々の体に影響を与える。 大阪大学大学院医学系研究科・健康発達医学グループの中神啓徳博士らの新しい研究では、研究者が高齢の免疫細胞を除去する新しいワクチンを開発し、肥満マウスにワクチン接種することにより糖尿病関連の代謝異常の改善を実証した。 老化した細胞は、炎症環境を作り出すことにより、周囲の若い細胞に害を及ぼすことが知られている。

T細胞(画像)と呼ばれる特定の種類の免疫細胞は、老化した肥満の脂肪組織に蓄積し、慢性炎症、代謝障害、心臓病を引き起こす。 老化細胞の身体への悪影響を軽減するために、これらの不正な細胞を標的にして排除するための治療法が開発された。 ただし、このアプローチは老化細胞の種類を区別しないため、老化T細胞の特定の枯渇が臓器生理への悪影響を改善できるかどうかは不明のままだ。

2020年5月18日にNature Communicationsでオンラインで公開されたこのオープンアクセスの論文は「CD153ワクチンはマウスの老化T細胞の蓄積を防ぐための老化治療オプション(The CD153 Vaccine Is a Senotherapeutic Option for Preventing the Accumulation of Senescent T Cells in Mice)」と題されている。 「老化細胞を排除することで加齢に伴う臓器機能障害が改善されるという考えはかなり新しいものだ」と、中神博士は述べている。 「老化T細胞は糖尿病と同様に代謝異常を促進する可能性があるため、老化T細胞の数を減らしてグルコース代謝に及ぼす悪影響を逆転させる新しいアプローチを考え出したのだ。」

目標を達成するために、研究者らは、脂肪組織に住む老化T細胞に存在する表面タンパク質CD153を標的とする新しいワクチンを開発し、それにより正常なT細胞が影響を受けないようにした。

 

続きを読む
ここから先は会員限定のコンテンツです
  •      


この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
このエントリーをはてなブックマークに追加

閲覧(529)

バーチャル展示会:おすすめバイオ研究支援ツール



    高精度なマルチプレックスを可能にしたワンステップRT-qPCRアッセイ ZipScript One-Step RT-qPCR Mixは、RNAに特化した高効率のマルチプレックスqPCRアッセイで、広いダイナミックレンジでのターゲット検出を可能にします。 ZipScriptは、RNase H活性の無い逆転写酵素と素早く活性化するホットスタートタイプのDNAポリメラーゼとを混合した溶液で、dNTPを含むバッファーが付属しています。 わずか0.5 pgのRNAから、5種類までのターゲットをワンステップの反応で簡単に検出できます。 卓越したRT-qPCRの性能に加えて、Enzymaticsの世界水準の製造プロセスにより、常に一定で再現性の高い結果を保証します。もっと読む

サイト運営者

バイオアソシエイツ株式会社

バイオアソシエイツ株式会社
東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー 3F
BioAssociates.co.jp

What We Do

ライフサイエンス事業向け
マーケティングサービスを提供しています


  • マーケティングリサーチ
  • コンサルティング
  • 外部連携支援
  • 科学顧問
  • マーコム