加齢による免疫低下を克服?胸腺の詳細マッピングが示す生涯免疫の仕組みと応用
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サイエンス出版部 発行書籍
発達中のヒト胸腺の詳細マップが免疫応答の形成と維持の仕組みを解明——免疫不全、自己免疫疾患への応用に期待 科学者らは、免疫細胞が感染から体を守る訓練を受ける重要な臓器である胸腺の発達過程を詳細にマッピングすることで、生涯にわたる免疫機能の基盤が従来考えられていたよりも早い段階で確立されることを明らかにしました。この研究は、英国のウェルカム・サンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)を中心に、ベルギーのヘント大学(Ghent University)、米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)などの研究チームによって実施されました。この発見は、免疫細胞を体外で人工的に作り出す技術の開発につながる可能性があり、加齢による免疫低下の克服、臓器移植の拒絶反応の抑制などに貢献すると期待されています。 この研究成果は、2024年11月20日付の科学誌Natureに「A Spatial Human Thymus Cell Atlas Mapped to a Continuous Tissue Axis(発達中のヒト胸腺の空間細胞アトラス:連続組織軸へのマッピング)」というタイトルで発表されました。本研究は、ヒト細胞アトラス(Human Cell Atlas)プロジェクトの一環として実施されており、このプロジェクトでは、ヒトのあらゆる細胞の包括的なマップの作成を目指しています。 胸腺とT細胞の役割:生涯にわたる免疫の基盤を形成 免疫システムは、多様なT細胞(白血球の一種)によって、病原体やがん細胞の排除を行っています。T細胞は、体外からの脅威を識別するだけでなく、自己組織を誤って攻撃しないよう訓練を受ける必要があります。このT細胞の教育が行われるのが、胸骨の後ろに位置する小さな臓器「胸腺(Thymus)」です。 胸腺の機能異常は、免疫不全や自己免疫疾
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